ちゃおチャオブログ

日々の連続

4.17.(月・晴れ)荻窪殺人ー口は災いの元。

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荻窪殺人事件の犯人が逮捕された。内部事情に詳しい者の犯行と思われていたが、意外な人物だった。それはこの事件の直前、自宅工事の為に出入りしていた工務店従業員で、その動機もカッとなって刺し殺した、単純犯行だった。
自分は犠牲者を冒涜するつもりは無いし、62歳で老後の楽しみを突然に奪われた無念さを哀悼する気持ちは変わらない。
しかしこの事件の詳細を知るに連れ、犠牲者は自ら招いた被害であった、とは言えないか。二人の間にどんな話し合いが行われたかは、想像する以外にないが、被害者の言動が54歳加害者の自尊心を傷つけ、忍耐袋の緒を切らせた。事件の原因は被害者本人にも大いにあったのだろう。
口は災いの元。口汚く罵れば、罵られた相手は頭に血が上り、カッとなって何を仕出かすか分からない。そうした最悪事態を回避するために、人々の間には節度があり、心のブレーキも備わっている。最後まで追い詰めたらならないのだ。窮鼠は猫を噛む。
62歳の被害者女性の物言いがどんなだったかは分からない。独身を通し、一流会社で管理職に登り詰め、何人かの部下も抱えていたに違いない。企業内であれば、上司の多少埒外な物言いも、給与の為とあれば、甘んじて受け入れる部下も大半だっただろう。鬼と地頭には勝てない論理が優先していた。
しかし一般の社会では、会社論理が通用しない場合はしばしばある。彼女が定年退職して1年、自身の意思通りに世の中が動かない場面も幾つかあっただろう。会社であれば叱り飛ばせば済むことも。
口論から本当の殴り合い、殺し合いに発展する例は、酒場の中だけのことではなく、日常茶飯に起きている。主張と主張がぶつかり合い、一歩も引かない。であれば、暴力で相手を倒すしかない。これは普通の論理である。
だが、今回の荻窪殺害事件は、これとは少し異なっている。62歳の女性の側が施主として、あくまで上の立場に立ち、54歳の工務店従業員は、仕事を受ける側として、下の立場にいた。女性が男の名誉、誇り、尊厳まで傷つけるようなどんな貶す言葉を言ったかは知らない。しかし、その結果は受ける側の男が、逆上して殺害に及んだとなれば、推して知るべしである。口は災いの元、口害慎むべしである。


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