市内循環バスに乗っていると、何故か又深圳駅の裏側を通って行く。一体このバスはどこへ、どこまで行くんだろう・・。
高速道を走り、一山越えて、30分程走った先に漸く終点の折り返し点に到着した。
周りには人家も何もないが、最後に下車した4-5人の後をついて行くと、公園風な開発区に出てきた。
ここは分譲住宅地か別荘地のようだ。高級車が何台か止まっている。
公園風のロータリーの向こうには大きな新築マンションが見えている。この辺りは新規開発区のようだ。
入り口には車止めのバーがあるが、中に入って行く。
深�祁駅前から乗った市内循環バスはどこをどう回ったのかは分からないが、何か又深�祁駅の裏側を通り、今度は高速道を走って、かなり郊外まで行く。一つの都市だからそんな広くはないだろう、小金井程小さくはないとしても、香港やマカオの市街地を少し大きくした程度だろうと思って乗っていたが、中々終点に着かない。途中通勤電車と思われる郊外の駅前のロータリーまで来て、乗客も乗り降りしている。途中で降りたりすると、帰りが余計に分からなくなるので、行きつく終点まで乗り続けた。
30分も乗っただろうか・・、バスは人家から相当離れた、林に囲まれたような場所に停車し、そこが広いバスの折り返し点になっていて、何台かのバスが駐車している。最後まで乗っていた乗客5-6人も全員がここで降り、ここが終点のようだ。乗客が歩いて行った先に付いて行き、100m程ゆるい坂を上ると、林が切り開かれて、突然リゾートのような別荘地のような開発区が現れる。ああ、山の中を切り開いた、分譲住宅地だ。中国語でいう処の「別埜」だ。
入り口には車止めのバーが降りていて、そのバーの横を潜って敷地内に入って行くと、ガードマンともセールスマンとも思えぬ身なりの良い若い二人がやってきて、当方、この住宅地の下見に来た客とでも思ったのか、色々と話しかけてくる。当方、誰かを訪ねてきた訳でも物件を見に来た訳でもない、単にこの場所の様子を見に来ただけだと話したら、二人はUターンして、又どこかへ行ってしまった。どこから来て、どこへ消えてしまったのか、全くスパイみたいに、どこかで不審者を見張っているかのようだ。
森のような林のような立木の中に、低層階の建物がぽつんぽつんとあって、何かの研究都市のような景観でもあるが、入り口近くの建物に、この施設の分譲案内らしいパンフが置かれていて、ここは「星河丹堤」という名前の分譲地のようだ。高層階のマンションから1戸建ての案内もあって、高いもので3000万元から安いものでも650万元。円元レートは日々変動しているが、仮に500元が1万円とした場合、6億円から1.3億円の範囲。明らかにバブルだ!
先刻の礼儀正しい若い二人がセールスを兼ねたセキュリテイかどうかは分からないが、確かにここは環境が良い。林の中の小径を真っすぐ進むと正面にかなり大きな池があり、デッキやボート乗り場も作られている。池の周りを戸建ての住宅やらその後方の高層マンションが囲んでいる。夏など水上花火が打ち上げられてもおかしくない環境だ。これだけの環境なら、お金持ちだったら億単位の投資をするかも知れない。中国の都市部の不動産価格は今や日本以上と言われているが、ここでまざまざとその現実を垣間見た。
敷地内に入るとすかさず身なりの良い若い二人がやって来たが、当方、ただ様子を見に来た、と話したら、又どこかに行ってしまった。出入り口近くの建物の1階にはブローシャ立てがあって、この場所は「星河丹堤」という分譲地のようだ。3000万元から650万元、・・ほー、1.3億円から6億円!
近くの建物はライブラリのようにもなっていて、CDとかジャケットが機械操作で出し入れできるようになっている。
ああ、この建物は800万元、約1.6億円!
小径を抜けると正面にかなり大きな池がある。
人工の池なのか、自然の池を利用しているのか不明だが、周りを戸建て、マンションが囲んでいて、静かな池だ。
中国の金持ちも、もうここまで来ている・・
ここ別荘分譲地「別埜」には一体どんな種族の人々が住んでいるんだろう・・。