ちゃおチャオブログ

日々の連続

イベリア周遊の旅(194)ミロの庭苑。

隠れ家のようなレストランから、杜の中の小径を反対側に向かう。
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今度は又別の階段が現れた。
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上に何があるか、上がって見てみよう。
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階段の上は綺麗な庭になっている。
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奥に白い建物があるが、何だろう・・。行ってみよう。
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俗界から隔離されたようなレストラン。一つ先のテーブル席のアベックも何かを遠慮するようにひそひそ声で話している。いや、話しもしないで、黙ってこの静けさを楽しんでいるのかも知れない。調理場、クッチナ(Cucina)からの調理の音も聞こえないし、ビールを持ってきたボーイも黙ってテーブルの上に置いて立ち去って行く。

ポンと置かれた音だけが木のテーブルから静かに響く。この.杜の中に一つだけポツンとあるレストランは、静けさを楽しむ人々の秘密の隠れ家なのかも知れない.。ビールを飲んでいる内に展望台へ行くことも忘れ、又そこからバルセロナ湾の上空を空中遊泳するゴンドラに乗ることも忘れ、そのまま下山することにした。もうこれだけ楽しめば十分だ。

杜の中に作られた遊歩道を真っすぐ歩いて行くと、先のレストランとは丁度反対側に、又同じような石段が現れる。ここにも又何かがあるかも知れない、と石段を登ると、随分整った、整然とした庭に出た。その庭の奥に白い建物が見える。今度の建物は何だろう。それにしてもこの庭苑にしても、建物の周辺にしても人影が全く見えない。パントマイムと言うか、無人劇の舞台を見ているような感じだ。取り敢えずはその建物まで行ってみる。

建物の横に案内板が出ていて、ミロ記念館とある。今は建物は閉まっていて、中には入れないが、成程、ここにミロは一時的に住んでいたのか。静かで見晴らしの良い場所だ。直ぐ真下にはバルセロナの街並みが見通せ、先のレストランの先の方にはカタルーニャ美術館の屋根の部分も見える。真っ白で随分綺麗な建物だが、中に入れなければやむを得ない。だが、この整然としたシンメトリックな庭と、周辺の景色を見れただけで、充分ここまでやってきた価値はある。

しかし不思議だ。ミロは確か夢のような曲がりくねった曲線を主体とするファンタジックな絵描きだと思ったが、この正方形、長方形のような直線的な庭は一体どうしたことだろう。これではまるでニューヨークの直線美を描いたベルナール・ビュッフェの絵画を現実の庭に置き換えたみたいなものだ。しかしこの真逆の現実とファンタジーの絵画の世界。分からない。が、或いは彼の創作意欲はこうした正確無比のスクエアの世界からの脱皮、逃避の行動として生まれてきたと考えるのは考え過ぎだろうか・・。



ああ、ミロ記念館。今は無人のようだが、嘗てミロがここに住んでいた。
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ミロの家の前から庭を眺める。全く人気がないg、綺麗に整備されている。
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長方形、正方形のスクエアで、全く直線状に区切られている。ブッフェの絵のようだ。
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庭の前方にカタルーニャ美術館の屋根も見える。
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バルセロナの街並みも真下だ。
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