ちゃおチャオブログ

日々の連続

由美子、難病SLEとの戦い(24)最後の別れ。

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暫くして夕食が運ばれてきた。ベッドを斜めに起こし、食べさせてやる。こんな状態で明日からどうなるだろう・・。でも今まで数々の困難を乗り越えてきた。完全看護の病院だ。何とかなるだろう。嚥下が難しく、喉につかえたりしないように少しずつスプーンにすくって食べさせてやる。唇を小さく丸くすぼめてお茶を飲む。一口入れるたびに、「もっと」「もっと」と。水分を摂り過ぎ、明日の透析に差し障るのを心配したが、彼女の要望は叶えてやりたかった。気持ち良さそうに食事を喉に流し込んでいた。それでも食事量は本人には多過ぎ、半分ほど残した。自分が残りを食べてやる。食事が終わり、もう一度肩、腰、足、背中を擦ってやって、帰ることにした。数時間後由美子が不帰の人になることなど、この時は全く予想もせず、病室を後にした。当然のルーティンとして来週の土曜日又来ると。
 

 

 

 

人にはそれぞれの寿命が定められている。由美子にはそれが分かっていたのかも知れない。30数年前に重篤な病気に罹かり、懸命に戦い、68歳まで生きることが出来た。長男の小学校の同級生の母親は56歳で亡くなっている。有名な女流棋士だったが、運命には勝てなかった。由美子の小中時代に最も親しくしていた南場さんはノルウエーに嫁ぎ、5年前、再会することも出来ず乳がんで亡くなった。元気な頃はノルウエーから沢山のお土産を持って、何回となく自宅へ泊りに来てくれたのに。
 
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