ちゃおチャオブログ

日々の連続

8.18(金・晴れ)ビッグモーターと大塚家具の類似性。



 

ビッグモーターが集中砲火を浴びている。売上高5000億円を越えるような大企業が保険金詐欺まがいのことをしていたのだから、社会から指弾されるのは当然のことだ。こうした集中攻撃により、売り上げは激減し、累卵の危き状況だ。売り上げが半減したら、従業員の給与支払いにも事欠き、数日前、僅か100億未満の借入金についても、銀行団は融資を断った。銀行団は債権回収に危惧を持った、とのことである。

 

金融は企業経営の潤滑油であり、血液だ。これがこの先ストップして行ったら、必然的に倒産の憂き目に遭う。保険金の水増し請求とか、作り事故での請求が多々あったと言われているから、コンプライアンスに厳しい銀行とすれば、企業経営の危惧性よりも先に、融資は行わないだろう。こうした詐欺会社に莫大な融資をしたことが後で分かれば、次に批難されるのは銀行自身だと分かっているからだ。

 

損保ジャパンが過去数年の間に30数名の社員を派遣し、役員にさせていたという。こうした事件が発覚する以前のことで、保険会社としてはBM社は優良な顧客、代理店であり、緊密な連携を結ぶことに寄り、保険料収入の囲い込みを図ったのは当然のことだ。だから、人数は少ないとは言え、東海日動や三井住友なども役員を派遣していた。これ等損保会社はBM社の不正行為を知らなかったと言っているが、仮に多少知ったとしても、当時は最優良顧客であった故、片目をつむる行為があったかも知れない。損保各社には過失はあったかも知れないが、BM社と一緒に結託し、詐欺を働いたとの故意はなかっただろう。

 

処でBM社は今から50年ほど前、兼重氏が岩国に中古車会社を起業していらい、僅か半世紀で全国に300店舗以上、従業員数6000人以上、年商5000億円以上の巨大中古車販売会社に育てのだが、まだ30代の息子宏一が5年前に副社長になったのを機に一線を退き、経営は息子に任せた様である。年商5000億を越える大会社でも株式は上場されず、大きな個人商店のようなものだから、こうした若輩でも兼重氏の意向一つで会社は動かせる。

35歳の息子副社長は、そうした父親のやり方を見て育ち、最初からTiranyだった。役員始め従業員は誰も彼の指示、命令に逆らうことは出来なかった。個人商店だから当然と言えば当然だ。早稲田の商学部を出て、MBAも取得した。いよいよ社員は誰も歯向かえなかった。結局周囲に歯止め、ストップを掛ける人はおらず、坂を転げ落ちるようにして転んで行った。その行きつく先は、会社の倒産である。

 

似たような問題で、10年程前の大塚家具がある。こちらはBM社とは違って、父娘の骨肉の争いで、すったもんだ末に会社は破産し、今はヤマダ電機に吸収されている。会社を追われた父親は新たに独自のブランド匠大塚を立ち上げ、細々と命脈を保っている。

娘の久美子は一橋大経済学部出身の才媛で、一旦は大手都銀に入行したものの、数年で辞めて大塚家具に入社。数々の要職を歴任し、40歳になって創業者の父親を会社から追い出し、自身が社長に収まった。が、それでも経営は上手く行かず、結局倒産させることになった。

親子の関係はBM社とは異なるものの、双方、頭の良い2代目が会社を牛耳り、結果的に会社を傾かせることになった。大塚父娘の醜い争いは、小説よりも奇なり。