ちゃおチャオブログ

日々の連続

インド世界遺産の旅(22)ジャイプールの天文台「ジャンタル・マンタル」。

City Palaceから歩いて直ぐの場所に「天文観測所」、「ジャンタル・マンタル」がある。
 
 
 
広い敷地内には幾つもの観測設備が作られている。
 
 
 
天体観測用に、色々な幾何学形の観測機がある。
 
 
 
300年も前によくぞこの様な施設を作ったか・・
 
 
 
正確な構造は現在の科学者が見ても驚くかも知れない。
 
 
 
 
 
良くは知らないが、案内文によれば、このジャイプール市内に王宮を構えたのは今から300年程前のマハラジャ「サワーイ・ジャイ・スイン2世」という人らしい。それで現在もその子孫のマハラジャが先刻の王宮に住んでいるとのことだ。先刻見て来た山の上の宮殿、「アンベール城」の城主とは違う系統で、アンベール城が約500年前位の築城だから、この「スイン2世」がアンベール城主を打ち破り、このジャイプール地方の覇権を勝ち取って、王宮を市内に移したようだ。

このマハラジャ「スイン2世」は偉大な大王だったようで、朝一番に見た「風の宮殿」、この市中にある「City Palace」を作ったのも彼であるし、そして何よりも特筆すべきは、この町に巨大、且つ精巧な天文施設を作ったことである。ヒンドウ語では「ジャンタル・マンタル」と呼ばれるている。

ガリレオ・ガリレイピサの斜塔から天体望遠鏡で、星野動きを観察していたのは、ここ「ジャンダル・マンタル」が出来る100年以上も前のことであるが、それにしても当時のイタリアから見て、辺境の地と思われたインド亜大陸の田舎町で、このような大規模な天文観察施設が作られていたとは、インド人、いや、イタリア人もびっくりしただろう。この「スイン性」によって、インド各地に同じような観測所が建設されたが、このジャイプールの物が一番大きく、正確だ。

しかしここは又随分大きな施設だ。江戸期以前の日本には見られない規模の観測センターだ。天体をミニチュアサイズにして半円に切り、数センチ単位で刻みを付けて、春夏秋冬、太陽光線で正確な時刻を図っている。夏至冬至春分も全て正確な日時が図られている。これが300年前に作られた施設とは! 日本で言えばまだ陰陽師、漏刻の世界だ。

確かにゼロを発見したのはインド人で、最初に羅針盤を作ったのはアラビアの航海士だ。西欧人から見たら、それ以外の地域は全て野蛮、非文明国と思われていたかも知れないが、当時の彼等がこの施設を見たら驚嘆したに違いない。成程、インド人が国は貧しくても原発を作り、宇宙船も飛ばしている。そんな科学技術の片鱗を思わせる「ジャンタル・マンタル」だった。
 
 
 
 
正確な日時計だ。
 
 
 
これで星の動きも観察される。
 
 
 
インド人ガイドも誇らしげだ。
 
 
 
大理石が5ミリ間隔で刻まれ、1分単位の時刻が計られた。
 
 
 
ここもまた、素晴らしい施設だ。矢張り世界遺産のことはある。