機は西に向かって進むが、眼下には山脈が見えてきた。
泰緬鉄道のカンチャナブリの辺りだ。
この山を越えると直ぐに海に出る。海岸線が薄らと見える。
機は西日に向かって進んで行く。
海をひとっ跳びで越え、次に見えてきたのはビルマの大平原だ。
定刻から1時間も遅れてスワーナブーム空港を飛び立ったエアーアジア機は,バンコク上空を旋回し、しばらくチャオプラヤー川に沿って北上したが、バンコクを離れ、アユタヤ上空辺から左に向きを変え、一路西に向かう。下を見ると山岳地帯が見えてきた。戦時中日本軍が困難の極みの中で建設に着手した泰緬鉄道の山岳地帯だ。山また山が続く。かなり険しい山だ。
何年か前この鉄道に乗ってバンコクからカンチャナブリまで来て、更に鉄道を乗り継ぎ、クワイ川にかかる鉄橋を渡って、行き着く終点まで来たが、鉄道はそこで終わっていた。そこから更にソンテウに乗ってナムトクまで来たが、ここはその名の通り「น้ำตก」 (ナムトク)=「水が落ちる」→「滝」という名前の集落だった。その後ろは深い山が迫っていた。
飛行機は今その上空を飛んでいる。こんな深い山の中での鉄道建設、日本軍には相当な無理もあったろうし、今から思うと無謀な作戦だった。
山脈を越えると直ぐに洋上に出て、それもほんの束の間、又再び陸地の上を飛行するが、今度は先刻の山並みと違って、一面の平野、平原。もうビルマの上空を飛んでいるのだ。Rice Field. 豊かな大地だ。どこまでも広がる平原。その真ん中を全く大蛇が大きく蛇行するように、川がぬたっている。高度差がないから、水が流れているのかいないのか、細長く大きな沼のようにも見えるが、ビルマの誇るイラワジ川だ。雄大な流れだ。
いちめん真っ平なデルタ地帯を泳ぐように飛行し、しばらくし、平原の中にやや街並みらしいのが見えてきたと思ったら、機は高度を下げ、殆ど間を置かずランデイングとなった。40数年ぶりの上陸である。
何年か前この鉄道に乗ってバンコクからカンチャナブリまで来て、更に鉄道を乗り継ぎ、クワイ川にかかる鉄橋を渡って、行き着く終点まで来たが、鉄道はそこで終わっていた。そこから更にソンテウに乗ってナムトクまで来たが、ここはその名の通り「น้ำตก」 (ナムトク)=「水が落ちる」→「滝」という名前の集落だった。その後ろは深い山が迫っていた。
飛行機は今その上空を飛んでいる。こんな深い山の中での鉄道建設、日本軍には相当な無理もあったろうし、今から思うと無謀な作戦だった。
山脈を越えると直ぐに洋上に出て、それもほんの束の間、又再び陸地の上を飛行するが、今度は先刻の山並みと違って、一面の平野、平原。もうビルマの上空を飛んでいるのだ。Rice Field. 豊かな大地だ。どこまでも広がる平原。その真ん中を全く大蛇が大きく蛇行するように、川がぬたっている。高度差がないから、水が流れているのかいないのか、細長く大きな沼のようにも見えるが、ビルマの誇るイラワジ川だ。雄大な流れだ。
いちめん真っ平なデルタ地帯を泳ぐように飛行し、しばらくし、平原の中にやや街並みらしいのが見えてきたと思ったら、機は高度を下げ、殆ど間を置かずランデイングとなった。40数年ぶりの上陸である。
デルタ地帯なのか、広々した平原が限りなく広がっている。
平原を縫うように川が流れている。
ああ、大きな川だ。これがイラワジ川か!
未整地の平原が広がっている。
人家も増えてきた。もう間もなくラングーンだ。