ベンジャロン焼きについて、以前どこかでこの名前を聞いたことはあったかも知れないが、5-6年程前、タイを旅行するようになってから、この5色の美しい壺のことを知るようになった。
タイ語で書くと「เบญจรงค์」。
日本の有田や九谷と同じ頃、タイのアユタヤでも焼かれるようになり、当時は王室ご用達だったとか。当時の日本の御朱印船も遥々タイから運んできたことを何かの本で読んだこともある。
意味は「เบญจ」(ベンジャ)が「5」のことで、
「รงค์」(ロン)が「色、色彩」のこと。この二つともパーリ語である。
普通のタイ語だったら、「ห้าสี」(ハーシー)=「5色」と書けば良い処を恰好付けて「เบญจรงค์」と綴っているのかと最初は思ったが、今日のターオさんの話を聞くと、どうもそうではないようだ。
今日、ターオさんから教えてもらった「เบญจเพส」(ベンジャペート)、これは「25歳」のことであり、「เพส」がパーリ語で「20」を表わしている。
タイでは人は25歳になって初めて一人前に扱われるようだ。即ち、人間として「五欲、五蘊」の世界から脱却できると言う事か・・。
処で、菊の事を「เบญจมาศ」(ベンジャマート)と言うが、この意味が分からない。
「มาศ」を調べてみると、「金」とか「サルファー(黄石、琥珀)」と出ていて、
どうして「16弁」の菊の花が「5」の数字になるのか、理解しえなかったが、ターオさんに聞いてみても、良く分からなかった。
<これは3年ほど前、ソンクラーの博物館で見たベンジャロンの原型、スンガイコーロクの焼き物>