ベナレス駅頭の風景。
ガヤ行き列車の中で。結構混んでいる。
スペースを見つけ、漸く座ることができた。
インド国鉄の列車。
随分古い汽車、貨車も大事に使用されている。
我々日本人はお釈迦様の悟りを啓いた場所を「ブッダガヤ」と呼んでいるが、現地インド人は単に「ガヤ―」と呼んでいる。従って昼過ぎにベナレスから乗車した急行列車も、「ガヤ―行」となっている。プラットフォームで現地インド人にブッダガヤ行の特急と聞いても、余り通じなかったのは、この辺の違いがあったのかも知れない。いずれにしても後で分かったことだが、殆どの急行、列車はガヤ行で、乗り過ごしたり、別の街へ連れて行かれる、という心配はなかった。
列車が急行なのか普通列車なのか良くは分からないが、乗る予定でいたジャルカンド特急ではなさそうだ。この混み具合からすると普通列車かも知れない。朝のラッシュの中央線程ではないが、座席はどこも満席。漸くスペースを見つけ、座ることができた。こんな混んだ中でも時々は車内販売が回って来る。昔の駅弁屋が肩から吊るした移動用箱のようなものに飲み物、サンドイッチ、ナン等を詰め込んで売っている。慣れたもので、この混雑の中、身体をくねらせるようにして、人と人の間をすり抜けるようにして、張り声を上げてやってくる。
ガヤまでは4時間程と聞いていたが、列車はガヤには夕方到着した。インド国鉄が時刻通り運行されているいるとは思えないので、標準通りに着いたのか、大幅に遅れたのかは分からない。自分が乗車した時間すら定かでない。いずれにしても混雑した車内で、外の景色を見ることすら出来ず、当然ながら、写真を撮ることなど全く無理だった。駅には迎えの人間が来ている筈だが、大分遅れて到着したので待っていてはくれないだろう。駅員に聞くと構内にInfo.オフィス、案内センターがあるとのことだ。
兎も角そこへ行ってデリーで渡されたスケジュール表を係りに見せて、ホテルの行き方を聞こうとしたら、係りの人はそこに書かれている電話番号に電話し、何かを話している。で、電話が終わった後、ここで待っていろ、と言われる。今ホテルに電話したら、ドライバーが迎えに来るとのことだった。
30分程案内所で待っていると、むさくるしい男がやってきて、これからホテルに案内するとのことである。簡易舗装はされているが、穴ぼこだらけの道路をブッダガヤに向かう。行き違う車もそれ程多くなく、交通量は少ない。ベナレスでも同じだったが、町の外に出ると、車の数は極端に少なくなる。外へ出歩くと言う慣行が余りないのだろう。
暫らく荒野のような所を走り、小集落が出て来て、古くてみすぼらしい集落の街中を通り、その国道の突当りにはちょっとした市場もあり、多少人で賑わっていたが、如何にも七人の侍に出て来るような極貧の集落を通り抜けると、大きな河を渡り、ガヤの街に入った。この川は後で分かったのだが、「ニランジャナ川」(尼連禅河)。この川で仏陀は沐浴したのだ。
ガヤはそれ程大きな街ではないが、世界中から集まる観光客の為か、ちょっとしたホテルや土産店なども見える。ホテルはこの町の中心、「マハーボデイー寺院」(大菩提寺)の直ぐ近くにあり、ホテルにチェックインし、夕刻ではあったが、直ぐにもお参りに行った。
ホームはどこも人で一杯だ。
夕方ガヤ駅に到着した。
ガヤに入る直前、大きな川を渡る。
後で知ったがこの川は「ニランジャナ川」。日本名で「尼連禅河」と呼ばれている。
遠くに見えるあの山は独特な形をしている。・・何か謂れがありそうだ。