中国が国際社会の中で信用されていないのは、その唯我独尊にある。自分が正しくて、相手が悪い。自己主張を押し通し、相手を屈服させようとする。
先日尖閣沖で日本の3人乗りの小さな漁船が中国公船に追い掛け回され、それを知った海保の巡視艇が交船を退去させたが、その場所は本来は日本の領海内だった。処が昨日になって中国サイドから発表されたコミュニケによれば、尖閣は元々中国の領土であり、そこで違法操業をしていた日本漁船を排除した、と、驚くことに、いつの間にか尖閣が中国領として、発表されている。この数十年、尖閣島は中国公船によりなし崩し的に領海侵犯が繰り返され、今ではもう堂々と中国領と主張しだした。・・ああ、あの時、石原都知事の時に、中国との一時の摩擦を覚悟しても、灯台を建てておくべきだった。実効支配は、韓国が竹島を急襲上陸したように、日本政府が急襲的に上陸を敢行し、施設を作らなければならない。地図上で線を引き、ここまでが日本の領土だと主張しても、中国は殆ど相手にせず、浸食はどんどん激しくなっていくだろう。
中国の横暴は、一つの中国の命題の元に、台湾を国連から締め出し、台湾と外交関係のある国々を援助名目で買収し、台湾との外交を絶たせることであり、台湾を香港化しようとしていることである。だから台湾が一つの国として外交活動をするのは、中国の野望に反することである。しかし台湾は今や一流の工業国、民主国であり、生活レベルも高く、世界もそれを認めており、中国も一国二制度ではなく、独立した国家として認め、遇するべきだ。今年の秋開催されるWHO総会に於いて、米国、日本を始めとする自由圏諸国は台湾の正式加盟を要請するが、中国は反対してはならない。台湾は香港、マカオ、ウイグルとは違うのだ。日本が敗戦により国土を放棄し、蒋介石が大陸の内戦で敗れて台湾島に逃げ落ちてきて以来、れっきとした独立国なのだ。国連にも加入させるべきである。
今回台湾はコロナ禍の災難から免れ、未だ死者は6人に過ぎないが、その直前、去年の暮れからだが、台湾のF35戦闘機等の最新鋭軍備増強に対し、中国政府は観光客の台湾渡航をストップし、その結果、中国からの旅行者が全く来なくなったのが、コロナ禍に巻き込まれないで済んだ原因の一つとも言われている。
このような外交上何か気に食わないことがあると、直ぐにこうした報復をし、相手国を困らせるようなことはすべきでない。やっていることはトランプと全く同じで、国際社会は喜ばない。今日は又、豪州に対し、豪州が今回のコロナ禍の発生原因等を究明すべき、第三者調査団を受け入れるべきだ、との主張に対し、中国は猛反対し、豪州からの牛肉輸入を部分的に停止した。豪州にとって中国は最大の輸出国。輸出が滞るようになれば、今回のコロナ禍で大きなダメージを受けている経済が更なる追い打ちとなる。中国のやり方は全く悪代官だ。人の弱みに付け込むヤクザ戦法と変わらない。こうしたことを繰り返す中国は、いよいよ世界の中で孤立化していくだろう。