ちゃおチャオブログ

日々の連続

函館の三日間(22)大沼と駒ケ岳。

大沼公園行きの電車の殆どは新幹線北斗駅で降り、残った乗客は二人だけになった。

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北斗駅の直ぐ先には新幹線のトンネル工事が進んでいる。

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古いトンネルを通り過ぎた山中の無人駅、仁山駅

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仁山の先の森林帯を抜けると、窓の外に湖が見えてきた。

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元々10人程度しか乗っていなかった乗客のほとんどは北斗駅で下車し、この先大沼公園まで行く乗客は自分の他にはもう一人の客がいるだけ。土日でもない金曜日の朝7時台の電車、こんな朝早くから観光にやってくる酔狂人もいないだろう。北斗駅で下車した乗客は新幹線に乗って、青森方面に向かうのか、それとも、この町に用事があるのか知らないが、駅名だけは「函館北斗」となっている。函館にしたら良い迷惑だ。こんな形で名前だけ使われ、実質は函館とは全く関係ない駅。それでも市民に取っては、新幹線駅名に名前が残ることだけでも満足するのか・・。

 

「函館北斗駅」を出ると、直ぐにも正面に山があり、今その山の斜面に大きなトンネル口が開いている。将来新幹線が伸びていくトンネル口だ。工事は着々と進んでいる。JR北海道にお金が無くても、国の新幹線整備予算で工事は遂行されるのだ。後、4-5年もすれば、北斗駅からトンネルまで線路が敷設され、ずっとその先、札幌まで結ばれるだろう。それを見越してか、途中のローカル線、長万部ー小樽間の線路は早くも来年からは廃線になるという。今のこの客のように、1日10人にも満たない乗車率では、廃線の憂き目にあってもやむを得ない。 

 

思えば今からもう20年も前になるか・・、所用で青森に来て、少し時間があったので青函トンネルを潜ることにした。勿論在来線で、当時はまだ新幹線の青図すらもできていなかっただろう。電車は竜飛岬の手前の駅から下りはじめ、海底トンネルに入り、どんどん深度を下げていく。観光目的があったのか、車両の前部には表示板があって、今現在の深度が表示されている。それは丁度、初期の頃の新幹線こだま号の現在の時速を示すスピード表示板と似ていて、こちらの表示板は深度メーターだ。その深度がどんどん深みを増していく。数字は覚えていないが、100m以上はあっただろう。何か圧迫感、深みに沈んで行くに従って胸が圧迫されるような感覚になった。乗った時は北海道側の駅まで行って引き返す積りでいたが、まあ、途中まで潜れば良いだろう。丁度トンネルの真ん中辺りに海底駅があり、そこで下車してUターンし青森まで戻って来たことがあった。

 

あれからもう20年になるか・・、新幹線は5年前に青函トンネルを潜って北海道へやってきた。後5年以内には札幌まで伸びる。隔世の感というか、中国ほどでないにしても、日本もちびちびと進化はしているのだ・・。中国のバッタ飛びと比べたら、全く蝸牛の歩みのようだが・・。新幹線トンネルの横には在来線のトンネルがあり、それを潜ると山中の無人駅「仁山」に停車した。こんな漢字で表記されているが、元々はアイヌ語かも知れない。その仁山(にやま)駅を過ぎ、森林帯を通過すると、窓の外に大きな湖が見えてきた。大沼だ。流石に名前の通り大きな湖だ。その湖の正面に駒ケ岳が見える。馬の頭のように山頂がピンと立っている。一度は登ってみたかった山だが、結局は機会がなかった。今日こうして間近に見られることだけでも幸運としよう。

 

仁山の先の森林帯を抜けると、窓の外に湖が見えてきた。

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駒ケ岳。登ってみたかったが、登れなかった山。

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大沼。何と静かな湖だろう・・。

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大沼公園駅の一つ手前の大沼駅だ。ここで下車したら、間違い。公園駅はもう一つ先だ。

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