ロシアが突然の侵略戦争を始めてから、今日で2か月目となる。当初5日で終わると高を括っていたプーチンは今や心の中は半狂乱だ。昨日のショイグ国防大臣との会談、前かがみになって、しっかりテーブルの角を握っていたが、それは心にもないことを言わざるを得ない、心の葛藤を表している。本来は、戦術核でも落として、ウクライナ兵を一掃したい処だが、周囲から止められ、自身が考えていることとは全く正反対の人道とか、ロシア兵の生命、危険の除去とか、全く180度の嘘を言わざる得ない心の葛藤が、あの姿勢に現れていた。心理学者があの映像を見れば、誰でも分かることだ。いずれにしてもこの映像で分かることは、プーチンの決定権が大分狭められてきていることであり、大統領閣下だからといえ、何でも好き勝手なことができない状況にあるということだ。ウクライナガンバレ。プーチンを蹴落とすのはもう直ぐだ。
自分は100名山の75座を登っているが、その内、危険な目に遭ったのは、3回ある。だが、その危険を無理せず犯さず、引き返したので、今なお命を長らえていると思っている。山の危険、海の危険、突然の危険が身に降りかかる状況は、全く同じ危険だ。一瞬の油断なり、判断ミスでもって、命を落としかねない危険である。エベレストには「Death Zone」という場所があり、そこは、ピークまで僅か100m程の至近の場所であり、目の前のピークを前にして、無理を承知で進んで行った結果、遭難し、還らぬ人となった登山者の墓場だ。高地故救助もままならず、そうした100体以上の死体が氷の中に埋もれたままになっている。その山頂直近100mの地点は誰が呼ぶともなく、「Death Zone」と呼ばれるようになった。エベレスト最初の登頂者と目されるマロリーもその一人で、帰りの下山中氷の中に閉じ込められた結果、最初の栄冠はヒラリーに譲り渡すこととなった。
今回の知床半島遭難事件、かなり荒れた海域に無理に出航して行った責任が誰にどのようにあるのか、これから検証して行かなければならないが、この関係者の中で、誰か一人でも中止を主張した人はいたのか・・。自ら乗船を諦めた観光客はいたのか・・。今日になって少し明らかになった状況は、この観光船は僅かに19トンで、救命ボートも積んでいなかった。昨日は観光の初日で、海が荒れていて、中には引き返した観光船、漁船もあったという。命を守る為には、臆病過ぎるくらいに臆病であってよい。今日船出できなくても、又来ればよいことだ。海は逃げない。山も逃げない。結果から見て暴挙と批判するのは簡単なことだが、最も忘れてならないのは、海も山も普段は静かな形容だが、多くの危険が潜んでいるということだ。人口減の日本に於いて、個々の人命を大事にし、危険の除去に努力する姿があちこちで見られている。しかし最も危険な海と山。数年前の大田原高校生20数名の雪山遭難の教訓は、殆どどこにも生かされていなかった。
「危険の認識」。東北大震災で「てんてんこ」という発想が漸く根付いてきてはいるが、国はもっと率先し、幼児の頃から学校教育等で、「危険の認識」を植え付けなければならない。
さて、問題の海保の初動活動はどうだったか。最初の救難通報から1昼夜開けた今朝になって漸く海岸に打ち上げられた遺体数名を救助した。遅きに失する! それ程広くもない海域。救難発生場所は特定されており、ヘリコプター、航空機等で救助に当たれば、1時間以内には海域に到達する筈だ。一体、どこをどう捜索していたというのか! 遭難救助要請があれば、通信回路は常時オープンにして置き、通信を密にして時々刻々の変化に対応していると思っていたが、今回の遭難、どうもそうではなかったようだ。GPSも、沈没場所も不確か、眼クラのように海上を動き回り、17時間も経ってから漸く岩場での遭難者を発見。初動がお粗末というか、これが海保の動きか! 航空自衛隊では空域侵犯機に対するスクランブルを毎日何回となく発進している。今すぐ差し迫った危険ではないにも拘わらずだ。海上の遭難信号は正に一刻一秒を争う緊急時だ。荒海に出航した会社、船長に危険の認識が欠如していたと同様に、海保関係者にも緊急救助の認識が欠如していたのではないのか! 全く情けない結果だ。1時間以内に到着していれば、とのもしもは通用しないかもしれないが、もしも数10分以内に現場に着いていれば、死ななくて済んだ26名の命の多くを救えたかも知れない。救助が何故このように遅れてしまったのか、政府初め、マスコミ各社も厳密に検証して行かなければならない。海保が国防の為だけにあるのではないと、勿論隊員、関係者は十分承知しており、こういう時の為の海保との認識を新たにして欲しい。
明日が怖い。明日の東証、幾ら下げるのか、9時になるのが恐ろしい。NYは連日の下げで、金曜日は2%以上、1000ドル近く下げた。ナスダックも同様だ。ウクライナが膠着し、中国経済も曲がり角。高金利を推し進めようとするFRBの姿勢は変わらない。3重苦の試練がこれから市場を襲ってくる。明日から又地獄の日々が待っている。