元町公園を少し下がった辺りに旧英国領事館がある。
幕末、この場所に建てられたが火災で焼けて、この建物は大正時代に再築されたものだ。
地方の領事館ではあるが、かなり広い土地と建物だ。
残り時間は少ないが、中に入れるようだ。
旧英国領事館は元町公園の下の直ぐの場所にある。幕末、当初領事部は先刻歩いてきた称名寺内にあったが、安政年間にこの場所に建設された。だがその最初の建物は火災によって焼失し、現在の建物は大正年間に英国政府により再築されたものである。しかしその後太平洋戦争が始まる直前、函館市によって買い取られ、現在は市の文化財として保存されている。
基坂にある領事館建物は、これが英国風というのか、木造の少しカントリー風のある落ち着いた建物で、シックな面持ちである。幕末の函館は今の10分の一以下の人口、今から見たら寒村に違いなく、活動している英国人もごく少なかったと思われる。その100人にも満たないような自国民保護の目的で、これ程立派な建物を建てるとは、流石英国だ。当時英国は世界最大最強の覇権国で、Pax Britannicaの覇者として、世界に広がった自国領土で、陽の沈む場所はなかった。東京千鳥ヶ淵の英国大使館も広大な土地であるが、この函館領事館を見ていると、行く行く将来はこの北海道の土地にも触手を伸ばす予定ではなかったかと勘繰りたくもなる。
午後の遅い時間、既に4時を回っていて、閉館間近だ。ようよう滑り込んで入館した次第だ。中にはTea Loungeもあって、英国紅茶も飲めるのだが、今はもうクローズしている。仮に開いていても自分にはそんな洒落た趣味はないので、パスしただろうが。が、少し残念だったのは、庭に広がるEnglish Gardenを時間切れで見ることが出来なかったことだ。京都大原のベニシアさんの家庭菜園とは違って、手入れの行き届いたRose Garden.花の中にはエリザベス女王とか、美智子妃もあるかも知れない。この庭園では結婚式も行われるようだ。売店がまだ開いていたので、孫に小物を土産として買い、次の、この坂の下にある今井百貨店に向かった。
外観もそうだったが、内部も英国風だ。ここは日中、紅茶も飲める。
時間が無くて、イングリッシュガーデンを見ることはできなかった。
基坂、英国領事館の前の歩道は綺麗な花壇で飾られていた。
ここからもまだ尚元町公園の上の旧公会堂が見えている。函館山の裾野も見える。