ちゃおチャオブログ

日々の連続

2.2(火・晴れ)何のための殺人か・・。

 

去年の暮、都立大学教授の宮台真司が、大学キャンパスで何者かに後ろからナイフで切られ、重傷を負ったが、その殺人未遂犯の男が昨日相模原市内の自宅アパートで自殺体で警察官に発見された。自殺は犯行から2週間後位の去年の年末だったようだ。

40を越えた無職男。普段から閉じ籠り、引きこもりをしていたようだ。宮崎との人的接点はないと言われる。唯一あるとすれば自宅と八王子キャンパスがそれ程遠くなく、自転車で往復できる位の距離にある、ということだ。

警察からは名前も公表されていないし、週刊誌、情報番組の追っかけもなく、40過ぎの無職男としか分かっていないが、この歳からすれば親兄弟がいても不思議でない。遺書はあったようだが、襲撃の動機は書かれていなかった。自転車に乗っている姿がテレビに何回となく放映されていたが、近隣、関係者からの情報提供はなかった。警察は映像から自転車を割り出し、販売店を特定し、本人に結びついたようだが、時既に遅し、アパートへ行った時には本人は既に死んでいた。

長い間の引きこもり生活で、周囲との関係も断ち、ひっそりと生活していたのだろう。既に生きる屍、本人自身も生きる意味を見失っていたに違いない。だとすれば、自ら命を絶てばよいものを、どうして第三者の生命を巻き込もうとしたのか・・。何か事件を犯すことによって、今までのくすんだ真っ黒の数十年の人生を、最後にパッと明るく燃え立たせたかったのか・・。

 

同種の事件は時々発生する。先日の飯能の米国人家族3人殺害事件の犯人も40代の無職男だった。今の処この殺人犯と被害者家族との接点は、家が近いだけで、他には殊更見当たらない。この3人を殺さなければならないとの動機は全く無い。家が近い事を除けば、行きずりの無差別殺人だ。この男は相模原の男と違って、自宅で潜んでいる処を警察官に発見され、緊急逮捕されたが、これがもしも相模原同様に犯人の特定や逮捕が遅れていたら、その間にこの男も自殺していたかも知れない。

これからこの男の裁判が始まる。精神科医の鑑定も行われるだろう。日本の精神科医の能力のなさは、同じような巣篭りの無差別殺人事件が過去何回も発生しているのも拘わらず、事件の背景を解明できないことだ。犯罪者の精神が正しく分析されていない。問題の根源が分からなければ、第2第3の犯罪を防止しようもなく、指導、教導するすべもない。

テレビは連日フィリピンの入管施設に収容されている凶悪犯罪集団を長い時間かけて報道しているが、連中は金に目が眩んだゴミのような人間だ。こんな連中の一挙手一投足を詳細に報道する位なら、少しはこうした普段の生活の中で、突然に狂気に走る相模原や飯能の人物像、家族関係、生い立ち、日常生活等を追いかけ、オープンにし、犯罪の防止に役立ててもらいたいものである。