ちゃおチャオブログ

日々の連続

6.22(木・曇り)三権分立の国と情と忖度の国。



 

先週トランプが重要機密文書持ち出しの罪で検察に呼ばれ、NY検事局に出頭した。元大統領が検察の取り調べを受け、呼び出されたのは長い米国の大統領歴史の中でも初めてだ。ニクソンがウオーターゲート事件で検察に呼ばれかけたが、大統領としてそんな屈辱は耐えられないとして大統領を辞任し、捜査は打ち切りになった。

トランプは大統領に取ってこれ程不名誉な呼び出しを逆手に取って、「魔女狩りだ」、「民主党の捏造だ」と反対に支持者を煽り、却って人気を上げている。トランプ手品のような返り身の上手さだ。単純なコアサポーターはもしもトランプが逮捕されでもすれば更にフィーヴァーし、検事局へ押し駆けるかも知れない。

 

昨日は又バイデンの息子が税金滞納と銃の不正所持で検察の捜査を受け、訴追されたが、司法取引で税金を納めることによって、2年の観察処分で決着された。

米国は三権分立が確立されていて、大統領であれ元大統領であれ、犯罪を犯せば捜査の対象になり、処罰もされる。被疑者の地位や立場に関係なく、法律が優先される。

前副大統領のペンスが共和党大統領候補に立候補した主たる理由は、トランプは自分勝手で、米国憲法より自分の方が上だと思って行動していることが許せない、だから対抗馬で出る、というものだった。

 

立法の議会と行政の大統領府も隔別されていて、つい数週間前まで予算上限法が上院を通過するかどうか瀬戸際まですったもんだのハラハラが続き、ギリギリの段階で法律通過となったが、日本ではこうしたことはない。総理官邸と行政が一緒になっていて、国会は総理府の意のままで、国会での碌な議論もないまま、閣議決定がそのまま行政として施行されていくのが現状だ。立法行政が一体化しているから、総理の意のままだ。

 

前政権、安倍内閣では色々な疑惑が湧き出ていた。籠池学園の国有地払い下げ問題、桜を見る会、広島河合夫婦選挙買収の裏金問題、領収書の必要ない官房機密費、等々、日本の司法は時の内閣、総理に遠慮し、米国に於けるような毅然とした捜査が行われていない。自分のクビ可愛さの及び腰捜査か、忖度だ。日本も建前は米国と同じ三権分立を取っているが、それは殆ど名前だけで、米国のようには機能していない。情の国だ。法律よりも情実が優先される国だ。強いもの、権力のあるものが、陰に陽に権限をチラつかせ、法律を捻じ曲げている。少しは米国の毅然たる態度、固有の権限の行使を見習うが良い。