離陸の時は天気も良かったが、上空には雲がかかっている。
横浜、相模灘を越えると、黒鉄の富士が見えて来た。
黒鉄の富士は、どことなく小ぶりに見える。
今回のこの巡礼記は丁度1年前の9月24日から27日までの4日間、琵琶湖周辺の観音霊場を巡拝した時の記録である。この1か月後の10月24から27日まで、友人4人と秋の札幌を旅行したが、旅行記の順番を逆にして、「秋の札幌4日間」を先に仕上げて、漸く先週終了したので、今日からこの1年と一月前の巡礼記をスタートすることになった。歳と共に歩行が困難になり、歩みも遅くなったが、書く方も又足同様、覚束ない遅さになってきた。足の方は兎も角、書く方は気合を入れて遅れないように頑張らなくては・・。記憶もどんどん薄れて行ってしまう。
この時の巡礼はJALで伊丹空港に到着し、その足で真っすぐ京都大原に向かい、大原山中にある善峰寺に巡礼し、次いで京都市内泉湧寺内にある今熊野観音寺を巡拝し、初日はここで打ち止めにして東寺駅傍のホテルコンフォートにチェックインし、翌日は琵琶湖周辺の観音寺を巡拝することにした。偶々ネットにエアトリの広告が入って来て、往復JAL便で、京都東寺近くのホテル3泊がセットになっていて、今年3回目の巡礼をすることにした。エアトリでのセット旅行は前回、6月に奈良方面を巡礼した時に、同じくJALと奈良駅前のホテルコンフォートに宿泊した時に続いてのことである。
さて、今日のJAL便は7時30分羽田発8時35分伊丹着、約1時間の飛行だ。天気もまずまずで外の景色も楽しめそうだ。機は定刻に離陸し、川崎横浜相模湾の上空をひとっ飛び、直ぐにも右手に黒鉄の富士が見えて来た。冠雪前の富士はどことなく小ぶりに見えた。矢張り富士は白銀。真白の富士は青空に大きく見えるのが一番だ。
気流の乱れも無く、機は順調に西に向かい伊勢湾上空を飛んで生駒の山を越えて大阪上空を飛ぶ。この水平飛行40分の間にもバタバタとコーヒーサービスもあり、真下の大阪を見下ろす。瞬く間に淀川を越えて、伊丹空港へ。ここの処の西国霊場巡りで、去年から今年にかけてもう何回もこの空港には降り立っている。何か慣れっこになった感覚だ。だが、この空港は大阪市内に出るには便利だが、京都とか神戸に出るには案外ややこしい。今日の最初の霊場善峰寺の最寄り駅はJR京都線向日町駅からのバス便だ。空港からはモノレール、阪急と二つ乗り継ぎ向かうことになった。
まずまずの天候で、外の景色も良く見える。
ああ、琵琶湖の南端か・・。
大阪上空を通過。どの辺りだろう・・。
淀川通過。間もなく伊丹だ。