下の山門から車道を歩いて来た突き当りは小さなロータリーになっていて、沢山の石仏が奉納されていた。
長い石段の向かい側には、古びた神社もあった。
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森の中に入っていく山道もあるが、これは昔の遍路道かも知れない。
ロータリーの真ん中には大日如来の石像が鎮座していた。
石段の上には立派な山門が建っていた。
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太山寺も古くて又由緒あるお寺で、国宝の本堂を初めとして、長い石段の上に建つ仁王門は重文、本尊の十一面観音像、その他平安時代の6人の天皇から奉納された6体の十一面観音立像も重文に指定されている。元々この寺は寺伝によれば用明天皇の御代に創建され、その後聖武天皇の勅願によって行基菩薩が十一面観音像を奉納したと伝えられている。四国八十八ケ寺の中でも、最も古い時代の創建の一つであろう。
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車道の終点はロータリー状になっていて、生い茂った樹木に覆われて、全体が日光も差し込まない薄暗い空間で、少し怖い感じの異様な空間であるが、境内に登る長い石段の反対側には古びた社の鳥居などもあって、更にその不気味さを引き立てている。ロータリーの中ほどには大きな大日如来の石像が座しているが、その周りを沢山の石仏、地蔵像が取り巻いている。奥の薄暗い林の中からお化けでも出てきそうな感じは、以前ここで何らかの不幸があったのかも知れない。何か地霊神の鐘縛りに遭いそうな空間だ。
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後ろを振り向かないように急いで石段を登り、仁王門を潜る。その正面の一段高い場所に国宝の本堂が鎮座している。堂々とした立派な建物だ。この本堂は鎌倉時代末期に伊予国主河野氏によって建造されたものだが、現在でも木造建造物としては愛媛県で一番大きいとのことである。真っすぐ正面の本堂に向かい、ご本尊十一面観音の真言を唱える。大師堂は本堂に向かって左側の一段高い場所にあり、本堂の石段を下り、再び大師堂の石段を登るのは、ずっと歩き詰めで登って来た当方の足にはなかなかしんどいものだった。
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広い境内で、本当はもっとゆっくり境内を回りたかったが、お昼も大分過ぎた。前の石手寺と違い、この寺には参詣者もいない。納経所に寄って印を頂き、重文の梵鐘を撞いて、再び又長い下り坂の車道を歩き、元の駐車場に戻ることにした。
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重文の山門(仁王門)。
- 鎌倉時代末期建造の本堂。国宝だ。
- 現在も尚愛媛県で一番大きな木造建造物。
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本堂の左横の台地の上に大師堂が建っている。
大師堂とその向こうに本堂の屋根が見える。
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左が大師堂、右に本堂の一部が見える。